2003年10月11日 ■ヴァイヘンシュテファン生活&お詫び&言い訳 エトセトラ。

こんにちは読者の皆様、ほぼ1ヶ月以上のご無沙汰ですがいかがお過ごしでしょうか?
 
こちらは新しい学校生活に追われています。
 
やっと始まりました「ヴァイヘンシュテファン生活」。
日記を最初から読んで頂いている方は「ヴァイヘンシュテファン」が何かご存じでしょうが、もしお分かりにならない方がいらしたら、この私めの日記をはじめから読んで下さいね。是非ね!!!
 
ヴァイヘンシュテファンはドイツの国立花芸術専門学校です。
国立なんていささか大げさ(失礼な・・・)な感じですが、ま、簡単に言うとマイスター学校と似ています。
 
私はこの学校で学ぶために、はるばる日本からドイツへと渡り、約2年半の苦しい、楽しい修行をおこなったわけで、入学はいわば私の夢のひとつの到達点とも言えるのです。
 
さて、いろいろとありました(過去の日記参照)が2003年9月9日、無事に入学。
 
それから約一ヶ月。
 
週末に山登り(行程約6時間。あの勢いでは、きっと富士山をも登れたはず!)に連れていかれるわ、まだ10月最初やーゆうてんのに雪は降るわ、風邪はひくわ、相変わらず授業はわからんわ、毎朝8時から学校で今まで以上に早起きしなあかんわ、とくに月曜日は夕方6時30分までの授業でくたくたやわ、なんやかんやエトセトラ、エトセトラで日記を書く暇ありませんでした。
 
友達が送ってきてくれた、阪神優勝記念雑誌(ありがとう阪神タイガース!)にもまだ目を通せないでいる始末!
こんなに、いろんな事が一気におそってきてもいいのか?と思うほどです。
 
「山登り」なんていかなきゃいいんやん!ってお思いの方、違うんですね、それは学校でのイベント(年中行事)で、ほぼ“おまえ行けよー!”状態のものだったんですね。
それは、皆で身体をいためつけ、寝起きをし、飲み明かし、踊り明かしと苦楽を共にすることによりクラスがまとまっていく、といった主旨の基に。
しかし約6時間、「こーんな山、楽しんで登れるとおもってんのか!」というくらい急な坂道ばっかりの、「これ、普通トレーニング積んだ人が登るんでしょうね」的な山登りは、私にはとてもきつく(いや、きっと多数のドイツ人もきつかったはず)、翌日は予想通り、さんざんな筋肉痛におそわれました。
 
ですが筋肉痛だろうとなんだろうと、翌日の月曜日に学校へ行けば授業があり、日に日に分厚くなっていくファイルと、逆にスカスカになっていく頭を持つ私は、今になってやっとそのペースに慣れ、日記を書く余裕ができたので、書いている次第でございます。
 
はー、本当に学校生活は大変です。
私はこの一ヶ月で1冊のノートを使い切りました(すごいペースですよ!)。
 
まず、さらさら~と学校生活について書いてみます。
 
授業は月曜日から金曜日まで。
月、火曜日が、なが~い一日で、月曜日は朝8時~夕方6時30分、火曜日が朝8時から夕方5時45分までとたっぷりあります。
木、金曜日は午前中(といっても昼1時15分まで)の授業です(水曜日は?お休み?by チーフ)。
 
科目は実技の他、実技の理論、ドイツ語、英語、コンピュータ、色彩学、社会、教育学、心理学、植物学、スケッチ(作品の下書き。その技法)、そして経済学!!
そう、この経済学が何を隠そう、私の頭を一番スカスカにする奴です!あー考えただけでも、頭がスカスカになってきた・・・。
マジでスカスカ、このままでは卒業も危ぶまれる(入学したてですが・・・)ほどのスカスカ度なのでかなり心配になり、この間ウィンターさん(修業時代のシェフ)のとこへ相談に行きました。
さすがは元我がシェフ、オー・マイ・シェフ、彼は素早く対応してくれて、私は一人のドイツ人学生(経済学を勉強中の)と知り合うことができそうです!いや~助かりました。
 
そんなことも今日あったので、少しは気も楽になり、久々の日記を書いている次第です(もういいって・・・。でも本当に心配でした・・・)。
 
それ以外、特に実技の授業はめちゃめちゃ楽しいですよ!
この間も近くの荒野に行き、草花(殆どは花がなく立ち枯れの状態)を使った作品を作りました。
こういうのが、したくてたまらなかった私はとても張り切ってましたけど、クラスの友達は“あんな枯れ草ばっかりのなんて、全然キレイじゃないし、おもしろくもない!”と言ってました。
そのときの作品の写真を送りますね。
クラスのみんな、同じ場所で、好きな花を切って自由に作りました。
それぞれに個性があって、見ていても楽しいのではないでしょうか?
 
ちなみに、この記念すべき(?)第一回目の実技の授業、テーマは「環境を表現する」でした。
 
では、また。
エモリミエ
p.s.実技は、毎週一回あるので、そのたびの作品を写真に撮って送りたいと思います。
が、週に一回というペースで日記を書けるとは到底思えませんので、気長にお待ち下さると有り難い限りです
 


 

2003年10月25日 ■秋休み

こんにちは。昨日の午後から学校は1週間の秋休みに入りました。
ふぇ~~~疲れた疲れた・・・。ここいらで休んどかんとエモリさんが疲れてしまう!
ところで、休みになったらアレしよコレしよ寝坊しよなんてウキウキで迎えた秋休み前の最後の登校日、元気よく(?)朝起きると、外は真っ白!
やられた。雪やん!冬やん!ドイツの、ちょー寒い、暗い、最高気温なのに氷点下な日々が始まろうとしているのです。
おえ~~~~。
日本はいかがでしょうか?
 
さてさて只今学生・二十うん歳の私ですが、学校生活にも慣れ、学校近くのアパートへ引越、その他諸々の各種手続きなども終わりつつあり少しは落ち着いてきました。
 
学校は前にも書いたように、月~金まで毎日あり、週に一度は実技のお勉強。それ以外は主に座学です。
私にとってもみなさんにとっても実技の授業が一番興味あるかと思いますが、それ以外の授業でも、例えば色彩学や心理学など、今までに習うことのなかった科目はなかなか興味深く、こんな授業が授業料タダで受けられるなんて!なんだかとても幸せです。
もちろん、日々、ドイツ語の勉強が欠かせないわけですし、決して楽ではありませんけど・・・本当に。
こないだも学校がイヤで、ドイツ語がイヤで、親友ミュリアムに携帯メールを送ったところ、
 
“ミエは今、マイスターの学校に行っているんだから、授業がしんどいのは当たり前。でも、それがミエのドイツでの夢だったはず”
 
との答が、返ってきました。
ミュリアム、あんたは正しい!そう、その通りなの!!!
 
彼女は今も変わらず陰で支えてくれる大事な友人です。
前に彼女の現在のこと書きましたっけ???
書いたかもしれないけど、彼女は今自分のお店を持ち毎日忙しくしています。
私は最初、それが彼女の最終的な夢かと思っていましたがそれは違って、5~6年したら店を辞めて今度はアメリカに行きたいのだとか・・・。
 
私が今まで学校なり、プライベートなりで知り合ったドイツ人は、殆どはドイツにいることを望んでいます。
もちろん、それはそれでいいし「ドイツで、家族と一緒に」もステキな事ですが、島国育ちの私には、すぐ側にこんなにいろんな国がくっついていて、そこへ行けば新しい物、珍しいものに出会えるチャンスがあるのに、ドイツだけにとどまるのはなんだかもったいないな・・・と思うのです。
日本じゃ、こうはいきませんから。
ま~こういうことは、自分の育った環境がなども大きく影響しているのでしょうけど・・・。
 
ちなみに私が、誰かに将来の質問をされて、いつも、
 
“うーん、また別の国にも行ってみたい”
 
というと、みんな少し驚きます。
 
“えっ、日本じゃなくって?”とか、“また違う国の言葉勉強しなあかんねんで!”とか、いろんなこと言われます。
だけど、そういうのが実は楽しかったりするんですね。あいもかわらずドイツ語いや~とか言ってる割に・・・。
いろんな人に出会ったり、たとえば修業時代のシェフのことを“大阪のおっちゃんみたいやな”って思ったり、学校の友達や同僚に“またプラウメ(梅干し)食べてんの~!”って馬鹿にされ“ほっといてくれ”と思ったり、ミュリアムに私の作ったオニギリ(具は、梅干しじゃなく鰹節だったけど)をあげてみた日には、それ以降、彼女の大のお気に入りで、会えば“オニギリつくって~!!”と言われることも、うちにくる通い猫にマグロの刺身をあげてみたところ喜んで食べてはって“うわっ、どの国の猫もみんな魚好きなんやわ!”とか思うことも、そういう毎日のいろんな発見が(どないな発見やねん)とても楽しい。もちろん自分自身への新しい発見もあるしね。極限状態に陥ると特に・・・。
 
って、気がつくとダラダラ書いてしまい、これ以上書くパワーは、今日ありません。
秋休みだからと昨日は勉強もせず、おいしいご飯を食べ、ワインを飲みまくっていました。
さっきインターネットで日本シリーズの結果を見たら阪神三勝二敗で王手かけてるやん!
と、またまた嬉しくなってみんなに言いふらしたところ、誰一人(彼氏のお兄さん夫婦、彼のお友達夫婦)として興味は無いらしく(当たり前やけど)、それでも気分よくって、さらに一人でワインを飲みました。
ただ一つ残念なのは我が家にTVはなく、プロ野球日本シリーズを見ることができないのです!っていうか、あってもドイツじゃやってませんけどね。
 
では、また!
エモリミエ


 

2003年10月27日 ■実技の授業。

こんにちは。
調子よく日記を書いております、最近のエモリミエ。
 
本日の早朝(10月26日)今まで夏時間だったのが、冬時間へと変更されました。
明け方の3時に、いきなり時間が一時間逆戻りし再び2時になって、そのまま一日が過ぎるのです。だから今日は25時間ありました。
日本はサマータイム制をとっていないので、この感覚は不思議なもんです。
まぁ、慣れてしまえば問題は無いのですけど、人間の都合で時間すらも動かしてしまうなんて・・・。
 
さて、今回は写真付きで授業内容(実技)の説明を致します。
 
今回のテーマは“秩序の種類と配置の方法”
 
ムズカシ~!なんじゃこりゃ!っていう日本語直訳ですが、私は日本でそういうことを学ばなかったので、ふさわしい日本語訳がわかりません。
しかし、内容は至って簡単。
 
秩序の種類とは
●シンメトリーか、アシンメトリーか?
配置の方法とは
●ひとつの成長点か、ふたつ以上の成長点か?ってことです。
 
私がドイツで習いたかったモノ、そして今実際習っているモノ、それはドイツ特有の構成理論です。
花で物を作る際、作り手(私たち)が頭の中で考え、決定し、作品に表していく・・・。
そんなん考えなくても適当に自分の思うがままにつくりゃーええんちゃうの?って、思うかもしれません。
私も実際そう思っていました。だけど、今はこういうことを習うのが楽しいです。
基本の押さえるべきポイントがきちんと入った作品は、やはりキレイで無駄が無く、飽きないし、それでいて基本以上のモノ(広がり)を私は感じます。
 
話がそれました。
 
まず、最初に長靴を履き雨風対策のジャンパーを着用、それから森に行きます。
目的は授業で使う植物の採取です。
学校から車で5分くらい走ったところに広大な森があり、私たちはそこから植物を頂戴します。
もちろん採取の際、その植物がどう生長しているのか、周りの植物との関係は?などという事もよ~く見ながらです。
その日はビンゼン(イグサ属)の植物を採取し、その周りに落ちている石ころや松ぼっくり、枯れ葉、枯れ枝、コケ・・・なども取りました。
これらの石ころやコケなどメインの植物以外のモノも、アレンジのベース部分に使用するためとても重要で、学校の授業ではこういった部分を含めてトータルで評価されます。
 
さて、いくつかのグループに分かれ植物採集から帰ってきた私たちは、次に器を探します。当然器選びも大事なポイントです。で、オアシスなどの植物を固定するモノを入れ込み準備完了、アレンジ制作開始です。
 
作品のテーマは4種類、「シンメトリーでひとつの成長点、もしくはふたつ以上。アシンメトリーでひとつの成長点、もしくはふたつ以上」ですが、そこは個性豊かなメンツが揃う我がクラス、それぞれ同じということなどなく、それぞれがそれぞれのモノを作っておりました。
制作後はひとつひとつの作品についてみんなで「これはど~とか、あれはそ~とかって」話し合うのです。
 
写真を送ります。
 
もうちょっとねー、わかりやすく説明できれば良いのですが、なにせ日本でフラワーアレンジメントの基礎を習わずにいきなりドイツにきてしまったもんですから、適切な日本語訳がわかりかねます・・・。
ドイツ語でもわかってないんちゃうん!なんて、そう、確かにそのとおりなのですが、なぜだか学校では先生が身ぶり手振りで教えてくれるので少しはわかるんですね~。
あと、私の感性が、ドイツ的なモノないしはこの学校にバッチリとあっていたみたいで、感覚だけはつかめているような気がします。でも感覚なんてもんは抽象的過ぎて、それを具体的に説明するのは・・・。
日本語ももっと勉強しないといけないのかもな・・・。あと植物の名前もね~。
余談ですが、チーフへのお願いです。アクセス数10万人突破の際には、日本語訳されたイギリスの植物図鑑を買ってくださぁ~い!3万円くらいなんです・・・。
 
ちなみに私の日記の内容でご不明な点、ご質問がございましたらいつでもどうぞ。私流の解釈となりますが可能な限りご説明させていただきます。
 
そういえば、フラワーショップという雑誌にうちの学校の校長先生が連載しています。
校長先生、いっつもむずかしーこと(まるで実際の彼の授業のように)書いてますが機会があれば読んでみて下さい。先生のお名前はルードヴィヒ・オット(Ludwig Ott)です。連載のタイトルは、忘れました!すいませーん。
 
では、また。
エモリミエ
 


 

2003年10月29日 ■森からのリース。

こんにちは、みなさま。
今回も写真つきで、授業でつくった作品をご紹介します。
 
ドイツでは、11月1日、アラハイリゲンといいまして、日本のお盆に似たような行事があります。
日本語訳は「万聖節」といいどう読むのかも私はわかりません(普通に“まんせいせつ”なのかな? 正しくは“ばんせいせつ”@チーフ)。
カトリック教徒の多い、ドイツバイエルン州(州都ミュンヘン)では、この日は祝日です。
なので、私にも1週間の学校休みがあるのでーす!終わりに近づくにつれ、悲しくなりますが・・・。
このアラハイリゲンは、前にも日記で書いたのですが、花屋さんにとってはけっこう忙しい日でもあり、行事でもあるのです。
日本でもお盆はお花買う方が多いですしね・・・。
 
さて、私は今花屋にいないので忙しいーなんて事はないのですが、学校ではこのアラハイリゲンにちなんで、いったいそれがどういう日なのかを学んだり、実際にアラハイリゲン用のリース作成行う授業が行われました。
リースは日本では単純に“飾りもん”としての意味合いが強いかと思われますが、ヨーロッパでは宗教的、象徴的な意味合いがあり、ただ装飾の為ってわけでは決してありません。
ちなみにリースは皆様ご承知の通りループ状の形態で、それは“始まりも、終わりもない”すなわち“永遠”を表します。
リースの向きも時計回りと決まっていて、そのことにも作る際に気をつけないといけません(見た目が時計回りに感じられるようにする)。
なんで時計回りか?というのは、人間が持っている感覚(視覚)が時計回りだと、素直に“リース”ということを脳に認識させるからだそうです。
エモリさん、最近はこーいうことも学校で習うのです。
今まで「そんなん、脳も、視覚も、時計回りも知らんちゅうーねん!」と深い意味合いもさして考えずに参りましたが、改めてこうやって学んでみると「ははぁーなるほどね・・・」と思うことが多く、ここドイツで学べる環境に自分があることをいろんな人に対して感謝しております。
 
さて、先の日記にも書きましたが、我が学校は実技の前に植物採集が行われます。
授業中に学校の周りを歩いて、どこになんの植物があって、なにを採取できるか?ってなこともやりました。
もちろん、根こそぎ取るのは禁止です。人様のお庭から拝借も禁止です。
だけど、近くの広大な森、駐車場の脇とか、空き地に咲いている花、木、実物などは採取可能なのです。
これは我が学校生徒の特権です!材料費格安です!
 
植物採集はいつも個人個人で行います。
だから毎回クラスのみんなが同じって事がないのです。
 
今回は制作後に、常日頃お世話になっている方々が自分の気に入ったリースを持ち帰れる、という形式だったのですべての写真は撮れませんでしたが、一部をご紹介します。
 
基本テクニックとしては柳の枝でリースの土台を作り、その上にモスをワイヤーで巻き付け厚みを出しさらに
 
1)ワイヤーで植物をリース状に縛っていく 
2)モスの土台に枝を直接、もしくはワイヤリングして差し込む
3)リース型の土台に植物を植える
 
です。
 
最後になってしまいましたが、このアラハイリゲンのリースは“長持ち度”が重要なポイントになります。
アラハイリゲンで作られお墓に飾られるモノは、その後約一ヶ月、クリスマス飾りをする頃まではもつようにしないといけないのです。それが、大前提。
それを自然素材でとなると生花ではなく、実物、枝モノ、枯れ葉、枯れ枝、モス、樹皮などが主体となります。
あと今回は先生から「作り終えた直後の“きれいさ”と“乾燥していく課程”、“乾燥後の植物の状態や雰囲気”も考えて作るように」と、言われました。
これらがキレイでないといけないわけです(早い話、要するに初めから終わりまでとにかくキレイにってことやんけ)。
約一ヶ月後、クリスマスに向けてお墓の飾り付けをしようとお墓に向かったところ、こないだエモリさんが作ったリースが“ぐっちゃぐちゃの、カッビカビの、半分、風でどっかとんでっちゃいました!”的な状態だとよくないわけですね。
 
最近はそういう事も含めて、毎日勉強しております。
 
それでは、また。
エモリミエ


 

2003年10月31日 ■ミエ、ミー、カタリン。

こんにちは、皆様。
突然ですが、私はミエという名前です。
日本にいたとき、なんの問題もなく「エモリミエ」で生きてきたのですが、ドイツにきてから少々事情が変わりました。
ミエをローマ字にすると「MIE」ですが、これは殆どのドイツ人にとって「ミエ」と読めない(というか、読まない)らしく、たいていが「ミー」と言われます。
語学学校に通っていた頃、先生達は「ミー、ミー」って(ネコちゃうねんで!)呼ぶのですが「ミエです。ミエです」といちいち言うのにも疲れてきました。
どいつもこいつも、すぐに覚えることはなく、いつまでたっても綴りをみては「ミー」と呼ぶからです。
そのうちこの「ミー」が自分の中でなんとなくしっくりとしはじめ、おかしなもんで気に入ったりもしちゃいまして、だんだんと、ドイツで自己紹介するときには「私の名前は“ミー”で~~~す!」と私の方からいうようになりました。ええもう今ではすっかり。
あたかも、本名のように使い続けて早3年、ここドイツにおいては、日本人のお友達と彼以外、皆私のことを「ミー」と読んでいます。
 
「名前にもっとこだわれば~?」と思われるかもしれませんが、約90%の人に“ミエ”です!といちいち説明するのがめんどくさくもあり、それに「ミー」なんて、こうも簡単な名前だとすぐに誰でも覚えてくれますしね(まーなんて便利なんでしょう)!
と言うわけでエモリさん、ドイツでは「エモリミー」なんですね。
 
が、しかし、すでにもう2つの名前があるにも関わらず、この間3つ目の名前をもらいました。
うちの学校は国立でドイツに1校しかなくて、卒業生の中には方々で様々なご活躍をされておられる方も多く、そのせいかどうかはわかりませんが、なんやかんやと卒業生や在校生の間に、特別な仲間意識、共同体意識がありまして、はれてその学校に入りますと、上級生からとても素敵なプレゼントがもらえます。
もうお分かりだとは思いますが、そう、新入生ひとりひとりにもれなく、あだ名がもらえるんですねー。いや~伝統って素晴らしい。
 
私は「ミーでええって!簡単やねんし、これ自体本名じゃないねんし・・・」と入学前から思っていましたが、そういう例外が認められるはずもなく(なんたって伝統っスから)、もちろん素敵なあだ名が与えられました。
で、その記念すべきあだ名とは
 
“カタリン”
 
といいます。
プッ!!!!笑っちゃいますよね。おまえ、なに人やねん!みたいな。
サクランボの品種名からきているそうです(日本が桜有名やからか?)。
だったら、英語で「チェリー」とかのほうが、キュートやのにな(それでも、おまえなに人??)。
 
我が校の先生方は、今私が学んでいるヴァイヘンシュテファンの卒業生でございます。
みなさん私の先輩でございます。ですから当然ついてます。ええ、伝統っスから。
ラムゼス、レックス、ドミノ、フェー、ユタ、ジルなどなど・・・みなさん本名ではございませんが、学校ではこの名前なのです。
 
将来、卒業生同士が会った場合、
“エモリミエです”と言うのではなく、“カタリンでぇ~す”と言うのです。
 
ぶっひゃっひゃぁ~~~~~~!!!キモイ、キモイ。
 
しかし、このヴァイヘンシュテファンの素晴らしき伝統も卒業生であるお友達の橋口学さんに聞いたところ、全員がその名前で呼ばれるとは限らない!そうです。
その名前が本人に合っているか、呼びやすいか?などなどを含め、時間と共に定着するのか、しないのか・・・が決まるらしいです。
私には、どう考えても、定着しないような気がします。
「ミー」のほうが誰も言いやすいやろー。
だけど、よく考えてみると「ミー」でも「カタリン」でも、あんたの本名と違うでしょ!ですね。
どっちでもいいんです。要は。
 
ま、でも、そのあだ名を一生懸命考え出してくれた上のクラスの皆様は、恒例の“名付け会”を催してくれ、お返しとして私たちも自分たちで自己紹介用の出し物行いました。
この名付け会(学校では「Taufe[タウフェ]:洗礼、命名式の意」と呼んでます)は、学校行事の一大イベントになっているのであります。
 
その時の写真を送ります。
意味不明かもしれませんが“これがタウフェか・・・ふ~ん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・”というような感じで思っていただければ、これ幸い。
 
では、また。
カタリン