あぁ~~~寒い寒い。
こっちは雪、氷の毎日です。

“う~ん、鍋が食べたい!”

と、今さっき不意に思ったので、今日は、絶対なにがあろうと鍋をします。豚肉か“かしわ”を買って帰り、寂しく寂しく一人鍋になろうとも。

ところで“かしわ”って、きっと方言!?

ちなみに“かしわ”は鶏肉のことです。私の父はいつも鶏肉を“かしわ”と言っています。だから私もそう呼ぶようになりました。でも、あらためて“かしわ”と書いてみると、自分でも「かしわってなにやろう???」と思ったので、鶏肉とも書いてみました。
だったら最初から鶏肉でええやろ!なんですけども、私は絶対

“かしわ!”

2003年もはや一ヶ月が過ぎ去り2月になった今、今回もみなみなさまに朗報をお伝えすることができ、私自身も喜んでいます!

そう、エモリミエ、
“フローリスト試験全課程終了!!そして合格!!!!!”

長かった・・・し、あっというまでもあった2年半ですが、こうやって、クラスのみんなと晴れて全員合格という、めでたい結果に終わることができました。これも、私の周りのみなさまのおかげです。
思えば本当に辛く、悔しく、何百回も泣いた日々でしたが、あぁ~~~ほんとによかった。
エモリさん、久々に感動に包まれ、久々の“感動泣き”しました。
今も少しあつ~い私ですが、その日を振り返って、忘れない内に日記に書き留めておきたいと思います。

まず、筆記試験。これが最初の難関でもあり、最大の難関でもありました。
それは 11月26日日や 1月1日の日記にあるとおり11月の終わりに行われており、合格通知は12月31日届いたのです。
それから、なんやかんや、ぼけ~としつつも、実技試験の為の練習をお店で繰り返す日々。
2月4日には口頭試験もあって、そのテストの担当は1年生の時の担任の先生やって、もう、私はその先生が大好きだったので、緊張しつつも無事終了。
だけど、ドイツ語だったので(当たり前やけど)時々、単語がわからなくて、

“あの~・・・、それは、こういうもので・・・絵見せてもいいですかね??”

と、NHKの連想クイズ状態でした。
まぁ、それは、相手が試験官だろうと、シェフだろうと、同僚だろうといつもの事なので、おもろくもなんともないのですが、昔の担任以外の他の試験官は、

“おまえだれやねん・・・”

状態だったでしょうね。まったくです。
それでも、けっこう早く予定時間の半分くらいで終わって、そのときは“うわ!?なんで?”と、思ったのですが、後から先生が言うには「ちゃんと答えてたから、質問する事がなかってん」と。
あぁ~よかった。

で、2月6日が実技試験で、この日がまたドイツでもまれにしかない大雪でした。
またまたです。私にとって何か大事な事があるとき、必ずといっていいほど、そういう変な(それは私にとっていい結果に終わることがおおいのですが・・・)兆候が私には起こるのですが、ここドイツに来てからは季節はずれの雪、誕生日の1日限定徹底ストライキ、などなどがありました。

そして今回も“神様、わかりやすい啓示をありがとう!”で、始まりました。
前の夜は、やはり4時間くらいしか眠れなくて、早朝3時30分には目覚め、それ以降眠れない始末。
朝の6時30分に出勤だったので、ゆっくり茶でも飲みながらシャワーを浴びたのですが、やはり緊張のせいか心ここにあらず・・・状態で・・・。まぁ、しゃーないな・・・と思って、換気のため窓を開けると!

外は大雪!

前の晩がすごい雪で、2日も連続して大雪にはならんやろう・・・と友達ともゆうてたのですが、

なぜだかさらに“大雪”。

48時間降り続ける気か!と、空にも怒鳴ってみるものの“雪”やまず。
これでは、車で行くのは無理と思い、てくてくと徒歩&電車で行きました。
店に着くと、私以上にソワソワのシェフが待っていて、明るく“おはようございますー!”なんて私が言おうもんなら、ムッとして

“車に早く荷物つめるぞ!”の一言・・・。

はぁーいと返事をし、雪ぼーぼーのなか、車に試験の為の花材や机、台・・・をつめこみ、終わってから忘れ物がないか再確認をし出発しました。
それにしてもすごい雪。車も大混雑で高速道路が普通の道速度+大渋滞。
シェフが

“雪で何も見えへんやんけ!すべる~~~”

とブツブツ言ってる中、私は、

“よく、こういうこと私にはあるんです・・・。でも、その特別な状況は私にとって良い兆候なのです。”

とさらっと言いつつも、内心“ついてないよな。大雪って!あんた。”
さて、無事に試験会場まで着き荷物も下ろし終えると、

“茶、しばこか!”と、シェフ(注:うちのシェフはドイツ人です)。

正確には“お茶でも飲んで、一息つこうか!”と、シェフ。
私よりも緊張しているみたいで、なんか、どこみてんねん!って感じでした。
まぁ、私も実際かなりの緊張ぶりでドキドキしつつ

“ここで落ちたらごっつアホや!笑いもんやで!”とも。

“そりゃそうやで、これで落ちたらこの先がない! いやあるけど、春とともに私の春も来てくれ! 日本に帰って、おいしいもの食べたいのに~~~~~”

と、かなり自分勝手な理由で、どうしても卒業したかったのです。

試験科目は4科目。

花束、アレンジ、寄せ植え、選択したテーマの制作。
写真、恥ずかしいけど送っときます。しかも、花束なんてあまりにも気に入らなかったので、きちんと撮ってない(送っていない)始末・・・。
ですから花束は、想像にお任せします。

アレンジは器の大きさが規定で、その中から自分で形も花も、何に活けるか、何を使うか選びます。
私はガラスの大きな丸いシャーレを使い、砂を入れて、球根を敷き詰めて、そこにフレンチチューリップ、ムスカリ、ヒヤシンス、(メインの)枯れ草を入れました。
砂は、砂浜の砂のようなもので、水を入れると堅くなって、ちょうどオアシス(フラワーアレンジメント用の吸水フォーム。これにお花を差し込みアレンジなどを作成します)の様になるんです。
ドイツでは、自然を大切に!志向なので、いろんなものをオアシスの代わりに使います。
これがいろんな人に好評で私もわざわざ草を取りに行ったかいがありました。
またその草も、私がここドイツで特に気に入った場所で、試験までの無事を日々祈ったところからとったものでした。

寄せ植えは直径60cmの土台に好きな花を入れ、リース型に仕上げました。
直径やリースの形状は、すべて指示通りに仕上げなければなりません。
使ったのは、クリスマスローズ、スノーフレーク、草(またかい)アイビー、ツル。
私の中でのテーマは“今の自然”といったとこでしょうか・・・。
これも、シェフの顔で、いろんなところから選りすぐり花材を手に入れることができシェフ&園芸業者に感謝です。
私的には“花って、ほんまきれい!”という素直な感想です。

選択テーマは4つの中から選びます。
結婚式、テーブルデコレーション、お葬式、室内装飾。
選択は受験申し込みの段階で決定せねばなりません。そして、筆記試験の際に、スケッチと見積もり(全部の値段)、使う花、テクニックを書かされ、そのとーりに、そのとーりの花、花数で90分以内に仕上げます。
筆記試験が行われたのは昨年の11月だから今とは花材も違うし、本数も正確にわからへんのじゃ!なんですけど、それはもうそうだから・・・試験だから仕方ないのですね。
もちろん、学校でも予想される練習問題をしますけど・・・。
私は特に春好きなので、春の花を使うことがめっちゃうれしく、大好きなアネモネとラナンキュウラスははずしませんでした。それプラス、フリチラリア、ムスカリ、ジャスミン、グリーンのピットスポルム。フリチラリアは前日にやっと入ったぴんぴんのもんで、筆記試験の際、使用花材として書いたはいいが、実技試験前日まで“どこにもないやんけ!”状態。
それはそれは入手大困難でした。そりゃそうかも、普通では4~5月の花ですからね(ドイツでは)。
でも、私はなんかしら会えるやろうな、という気がしていたので、あまりどうしようと思ってなかったのです。
シェフは、

“おまえのために、いろいろ手を尽くしてんぞ!”

と、言わんばかり。いや、実際言っていました。

“オランダの業者まで電話で問い合わせてんぞ!”

とも。
“国際電話代払え!!”とはいってなかったけどね・・・。感謝感謝大感謝です。

その甲斐あってか、リースは私も気に入る出来映えでした。
いろんな人には、
“ミエらしい色合いや。きれいなうす~い・・・”

と言ってもらい、ほっ・・・。
あっ、テーマですけどね、銀婚式、円形テーブル、ロマンチックで、私はテーブルにリースを置き、その中にシルバーの棒を差し、上には試験管をつけてバラとジャスミンをいれ、ジャスミンはそのままだらぁ~とたらす・・・。
テーブルには25個のろうそくとバラの花びらを散らし、あぁ~ロマンティック・・・。
このシルバーの棒がかなり不安定で、倒れる事はなかったけど、

なんと“ナナメ!”に。

緊張やら制限時間やらで、気がつくと斜めにささっててそれが少し残念でした。
シェフにも斜めになったから、受かるかどうか心配や!と発表待ち時間にずっと携帯メールで伝えてました。

そして全課程終了後、昼休み。2時までかかりました。
で、5時30分まで審査待ち。その間なーーーーーーーーーーんにもする事がなかったので、暇だった私。
クラスのみんなは、食べたり、飲んだり、騒いだり・・・私にはとても無理で、おにぎり一個食べるのがやっとでした。

その間、私はずっと“棒がナナメ、棒がななめ、棒が斜めになった!”だけが心配で、倒れてたらどうしよう、落ちるかな?試験に落ちるかな?と、気が気じゃなかったのに、クラスの子らは

“ミエ、チョコ食べる?”
“グミいらん??”
“散歩いかへん??”

と、“おまえら緊張感ってものがないんか!”

結果待ちの時間、約3時間半はとてつもなく長く、どきどき、どきどきの連続でした。
その間に、同僚がやってきても、

“受かったかどうかわからへんし・・・”

と素っ気ない態度。
そうこうするうちに、いよいよ発表の時。全員がひとところに集められ・・・なが~い、話。これからの事、ドイツの就職難について、私たちのこれから・・・などなど、

“もういらんちゅうねん!”

っていうほど前置きがあって、そのあとぽつんと

“今回は、全員合格です”

の一言・・・。

えっ、まって、まって、全員って、日本人のエモリさんも入ってますよね??

“フルネーム、エモリミエ”です。

エモリさん、今回受けてて、あっ外国人で、ドイツ語よくわかってなかったりもしますけど入ってますよね???

すると、今回の試験官でもあり私の学校生活2年半実技担当で大好きなビューヒナー先生が私の前に来て涙をためながら、

“おめでとう”

と言ってくれたので、

“受かってる~~~~!!!”

と実感。よかった!受かった!感動泣き!今でも、思い出すと、感動です。

その後すぐにお店に電話して、シェフに

“受かった!”

って言ったら、電話口では、

“そんなん、今日の朝から知ってたわ”

と、妙なそっけなさ。
でも、私はわかる、そうは言いつつも私のことが心配で仕方なかったはず!
実技は良しとしても、口頭試験や特に筆記試験では、私と同じように緊張してはって、

“こいつ、ほんまにだいじょうぶか・・・”

と思っていたはずです。

それにしても思い出せばいろいろありました。
まともに言葉もしゃべれない、そんな私をその日に“じゃぁ、採用”って決めたシェフ。
なかなかビザがとれなかったこと・・・。
大雪のこと・・・。
中耳炎にかかったこと・・・。
面接日が偶然も偶然、シェフの誕生日であったこと・・・。
などなど、いろんな事が一気に駆けめぐり、思いだされました。

私は、あぁ~~~~~本当に幸せでした。この感動は、一生のタカラモノですね。

“あぁ~~~ 本当によかった”

長文になったしもた。
では、また。

ミエ