2004年3月13日 ■もう、3月になっちゃた。

時間というモノは、無情に過ぎ去りしものですな。
ついこないだ「年が明けた!わーい!みそじ!(うれしかないけど)」って思っていたのに、もう3月も半ば。
年明け早々の頃には“冬”の展示会についてを書き終えたかったのですが、エモリミエ、いつものように今頃書く羽目になっております。
早くしないと、もう春はそこまでですもんねー。すんません。
 
さてさて前回は、我がクラスメートの作品をご紹介しましたが、今回は私たちの上のクラス、今年卒業予定のクラスをとりあげます。
前回も書きましたが、冬の展示会は、ありきたりのモノを作るのではなく「いろんな事を試してみる」展示会なのです。芸術です!
我が学校、ご存じの通り、たいていの材料を、森、野原、学校周り、荒れ地、僻地、人の庭(私だけかも・・・)などから取り集めます。
ある時は、高枝切りばさみを持って高い木の枝を、ある時は、長靴にはさみを持って森の中の植物を好きに採取します(もちろん節度は保ちつつ、決して乱獲ではありません)。
と、なるとですね、12月にある材料なんて“木ー木ー木ー”ばっかなわけですわ。
もしくは“枯れ葉ー実ー枯れ葉ー実ー!”みたいな。
そんな材料を使って作品を作るわけですから、作品は本当に様々なモノでした。
 
 
さて、まずはテーマから。
今回のテーマは
 
“Objekte, Plastiken, Reliefs(オブジェ、彫刻作品・造形美術、レリーフ)”
 
でした。
そして、私が今までみてきた展示会ではグループ作品が“主”でしたが、今回は一人一作品と各々の作品が並びました。
しかも、たぶん初であろうと思われる展示即売が行われたのです。
 
それぞれの作品にはその人の表現したかった事、アイデアに至る成り行き、材料などを書いた説明書きが添えられていて、見学者は作品を見て、説明を読み、または直接質問などして、“へぇー”とか“えー?”とか“ふーん・・・”とか思いつつ、作者の真意を探るわけです。
うまくいけば、一見なんじゃこれ?!と思うようなモノも、説明を聞き、制作者の考えを知ることによって“あーなるほどねー”とより理解も深まります。もちろん様々な感想があるでしょうけど。
 
ここから少し毎度毎度の言い訳タイムです。
と、いうことはですね、今回この作品達を写真と共にご紹介させていただくに当たって、エモリミエもひとつひとつに対して先のような説明を添付しなくてはいけない訳です。
制作者の考えを知ることによって“あーなるほどねー”とより理解を深める意味において。
で、来るべき日に備えて一応それらの説明書き(当然私の得意とするところのドイツ語)をまとめたモノを、かっさらってコピーしておいたわけです。
が、しかしですね、このドイツ語が、また
 
“よーわからん!”
 
そんでもって読むのがイヤになってですね、日記ネタがたまっていく一方にも関わらず、日記を書いてなかった!ちゅーわけです。すいません。
実はこのネタを書き終えないことには次に進めなくて、困っておりました・・・(困るくらいなら、書け!って感じ!?)。ちょっと言い訳っす。あースッキリした。
 
さて、気を取り直していきましょ。
まずはレリーフ作品から・・・。
こちらは、4作品が全く同じ材料、大きさで作られました。
材料は「ココナッツの皮」です。
まず、木の枠を作って、その中にチキンネットを埋め込み、タイルの目地埋めなどに使うセメントよりも柔らかいものを流し込みます。
それがまだ乾かないうちに、ココナッツの皮で様々な形、模様、リズム、ライン・・・などを作っていきます。
 
同じ材料なのに違う雰囲気。ひとつのモノから生まれるのは、ひとつだけではないということでしょうか・・・。
 
次はオブジェコーナー。
ふたつのオブジェが並んでいるモノは“対立・反対を引き寄せる”というのがそのテーマです。
材料は、金属の棒で作られた骨組み、それに沿うように入れられたブラックベリーのツル、そして、ダラーンと下がっているモノは、自然の形そのままのワイン(ブドウ)のツルです。
ブラックベリーの作品は、その形、自然に則さないツルの動き方、使い方(針金で留めたり、金属の骨組みを使ったりなど・・・)で“ダイナミック、ひたむきさ、やる気”を表し、ワインのツルは、ただそのままを天井からぶら下げて“やる気の無い“目的の無い感情”を表しています。
制作者は、
 
「このふたつの対立は、人生においてしばしば見つけること探せることができ、そしてまた、その感情は引き寄せあいながらも再び離れていく・・・」
 
と言っていました。
 
次は“存在の輝き”です。
材料は、白樺の枝・葉、金のワイヤー、鏡です。
鏡を使ってのテクニックで、鏡に写るオブジェの姿と、直接見る実物の姿が違って見えるのがポイントです。
鏡は床に置かれていたのですが、それは一枚の鏡ではなくたくさんの鏡のかけらでした。
鏡のかけらがバラバラに並べてあることによって、角度が違えば当然そこに写るモノの見え方も違ってくるわけです。
作者曰く、この作品で表現したかったことは、モノの存在自体は外見とは違う内面を必ず持っていると言うことと、内面は決して単純なモノではないということです。
そしてその様々な内面をつかむためには、自分自身でそのモノの外見、内面を組み合わせ、自分自身の図・像・イメージを作らなければならない。
と、いうことですわ・・・。
 
フロリスティックの域を超えていきそうな勢いですね。
 
次は“彫刻作品・造形美術”です。
彫刻と言うと、私は「版画!」とか「木彫りの作品」を思い浮かべますが、ココのコーナーではもちろん版画も木彫りもありません!
ただ、ドイツ語のPlastikenを辞書でひいてみるとそう書いてあるのです。
いつもならココで、国語辞典が登場してその日本語の意味を調べるのですが、あいにく今週末は手許になく、調べることができません。
じゃ、また今度!となると、私のことですからいつになるかわかりませんので、興味のある方は何かで調べてね!
まずは、でかい作品から・・・。
この材料はブナの小枝から作られた“球体”といろんな方向に動きつつもその球体を支えている“ブナの枝”です。
テーマは“静止とダイナミック”。
このふたつの“静止”と“ダイナミック”というテーマは、私の中では(多くの人がそうであると思いますが・・・)完全に相反するもの、別のものという認識で、今までもどちらかの一方のテーマでしか作品を見たことが無かったのですが、この制作者はこのふたつを見事にひとつにし作品にしました。
彼女の根本にあったものは“植物の動きとはいったい何なのか?”、“動きというモノはダイナミックなのか?静止されたモノなのか?”という自分自身への問いかけであろうと、私は思います。
 
そしてドングリで作った作品。
テーマというか題名は“アドニス(アドニスとはギリシャ神話に出てくる神の名で、美の女神、アフロディータに愛された美少年のことです)”といいます。
材料はドングリ、骨組み、爪楊枝で、ドングリに爪楊枝をさして形を作っています。かなり大変な作業であったと思われます。
 
“なぜ、ドングリか????”
 
それはドングリの木(カシワや、ならの木)のシンボルが、“男らしさ”と言うことだからだそうです。
そして作られた形は、肩幅が広く、細い腰回り、シンメトリー(左右対称の形)からの安定感などによって“男らしさ!”をより強調しているそうです。
 
さて、今回もっとも反応が大きかったのが、この作品。テーマは“妊婦”。
材料はイグサ属、灯芯草と辞書には載ってましたが、これ「フトイ」のことですかね?間違っててたら、ゴメンナサイ。
この妊婦は“けがをする、傷つく”といった意味合いのシンボルとして作られています。
私が思い浮かべる妊婦のシンボルというのは、
 
“めでたい!新しい命”
 
と言ったところですが、これはなぜだか
 
“ケガや傷”
 
なんです。
最初、私は“えーーーーーーー”とびっくりしました。
たぶん他の人もそう思った事でしょう。
しかし、こういう現実はあるのです。
そして、こういうイメージを持つこともあるのです。実際、制作した人がいるように・・・。
しゃがんで頭を少したれた感じ、フトイがボーボーと乱雑に飛び出している感じから“妊婦”に対する、作者の思い“傷”が表されています。
 
はー。今回の日記は、たぶんとてつもなく長かったのでしょうね。
読み直して日本語や文をチェックする気も起きません。
メリーの皆様にお任せです。
 
エモリミエ、もう少し文がうまく短く書けるように、短歌でも習ってみようかと思う今日この頃です(あまり意味無いかな?)。
 
今度は少し気のぬけたテーマで。
 
それでは・・・。
 
書くのと、読むのと、訳すのに、疲れたエモリミエ・・・。
 
P.S.学校の写真も入れときました。 

 

2004年3月14日 ■ゴハンのこと。

こんにちはー。
時間のあるときにたまっていたメールを書いている私です。
そろそろ、ニッポンは春でしょうか?
ドイツもだいぶ春らしくなりましたが、もう一押し(注[web担当者]:すみません更新遅れておりまして、今頃はおそらくドイツも春でしょう)!
森の中や家の近所の日陰部分には、凍ってしまった雪が残っています。
木々の新芽はまだ出ておらず、ネコ柳のほわほわの花が目立ち、とてもキレイです。
 
前回は、長ーーーーーーーーーーーい日記を書きましたが、
今回は短めに、私のプライベートな嗜好について書いてみます。
 
突然ですが“ゴハン”。
私は、何においてもご飯派です。
 
ドイツに来てスイス人の彼とつき合ったり、学校に行ったりと当たり前に生活を送るようになってはや数年。その間たぶん日本ではないであろう様々なパン(美味しいモノもたくさん)に出会うことや食べる機会があっても、一向にパンが好きになれません。
 
展示会で忙しかった12月。後半はこっちでのファミリー大イベントであるクリスマスがあり、学校も休みになり、いつものように彼氏と彼氏ファミリーのクリスマス会へ行って参りました。
クリスマス会のメニューは彼のお兄さん特製の肉料理です。
内容をざっとご紹介すると、まず子牛の肉でパン、干しぶどう、ベーコン、タマネギ、干しトマト・・・などなどを包み、昔ながらの釜オーブンに入れてたぶん5~6時間焼き&煮込みます。
焼き&煮込み中は何回も中を覗いて、肉の表面にスープをかけ、乾ききってしまわないように注意します。
付け合わせはマッシュポテトにインゲンや人参です。これがまた、すごくおいしい!
本当においしいので今回は写真を撮ってきました。
しかし、改めてみると本当にビックなボリュームです。写っているのは、もちろん一人分!
そして私のクリスマスのもう一つの楽しみは、近所のおばさん達がせっせ、せっせと焼いては持ってきてくれるクッキー達です。
スイス(ドイツもそうですが)はバター、ミルクなどの乳製品が日本よりも濃厚で ─ 時々食べると ─ 本当においしい!!!!
次から次へと食べていたら、案の定、太りました。
 
しかし!しかしです!私は始めにいいましたとおり根っからのご飯派。
クリスマスも過ぎ、周りが落ち着いてくると、だんだんイライラし始めました。
“肉は、もういらん!”
“味噌汁が飲みたーい!米が食べたーい!